そろそろ、OpenStreetMapのチェンジセット(全世界の総編集回数)が1億回を突破します!(2021/02/25 18時時点で9995万回の編集)
1回の編集で数万もの道路や建物を編集することもあれば、1店舗だけの編集もあるので、1億回目が何かを意味する訳ではありませんが、それでもやっぱり凄い数!
と言う訳で、リンク先のサイトでカウントダウンが始まっています。1億回目を目撃したり、1億回目を早めるためにマッピングしたり、一緒に楽しもう!
世界中の様々な組織や個人の想いが載った自由なデータが社会を支える基盤になれば、これまで知られなかった様々な事象を誰でも可視化出来るようになります。
そのことが社会における様々な不平等や不正を解消する仕組みになると私は信じています。与太話だと馬鹿にする人も居るけど、馬鹿はいつでも何処にでも居て、馬鹿に出来ない規模になってきたようですよ。
記念すべき1億回目の編集はセネガルでした。
キリ番狙いの僅かな編集では無く、建物がしっかり描かれたチェンジセットだったのは良かった。この地域の未来に幸あれ!
OpenStreetMap Advent Calendar 2020の12/25記事
今日は2020年12月25日。メリー・クリスマス!
サンタさんのイラストを描けないので、クリスマス島を貼ってみる。
これまでの人生において、今年ほど引き籠った年は無かった気がします。去年までは、毎週のようにイベントを開いたり、各地のイベントに協力していました(家族からは、週末は家にいない人と認識されていた)。
去年の10月は西日本旅行で、津山、高知、指宿、三原を回らさせて頂いて、図書館司書さんや親しい方たちにオープンデータソンの紹介をさせて頂いたのも懐かしい思い出です。しばらくは難しいかなぁ。
2月後半の時点で飲み会の自粛が求められるようになってきて、3月ぐらいから在宅勤務に切り替えた企業も増えて、4月に大都市に対して緊急事態宣言が出る。今より随分と感染者も少なかったのに大騒ぎでした。
諸国・浪漫の活動としては、3月20日に大阪市立島之内図書館と企画していたオープンデータソンが中止となってしまいました。楽しく大阪城と森ノ宮を歩こうと思ってたんだけど、本当に残念でした。
と、家に引き籠っても仕方ないと開き直ってオンライン活動へとシフト。
最初の活動は「OpenStreetMapのオンライン活動拠点を作る」でした。
これまではfacebookグループやtwitterのハッシュタグ(#osmjp)ぐらいしか無く、誰でも入れて気軽に話せる場所(ツール)としてSlackが良いと考えて、3月28日に「OpenStreetMap Japan」を立ち上げました。
※OpenStreetMap Foundation Japan主管で立ち上げています。
Slackを立ち上げて「さぁ、使ってください」と言われても、何をどう書き込めば良いのか分からないし、反応が無いと寂しいし、そんなにメンバーもいないので、まずはSlack上でオンライン活動を始めました。
それが「#MappyHourJapan」です。
各自で町を歩いて現地調査して、それを毎週土曜日の夜にSlackでマッピングと成果発表をするイベント。同じ時間にマッピングするので、分からないことはSlackで聞いたらすぐに返事が返ってくる(多分)のが楽しい。
4月から初めて半年以上、参加者が多い時も少ない時も色々ありますが、もうしばらくは続けて行こうかなと思います。今後の様々な活動の礎となるデータが増える意義もあるけど、何より楽しいしね。
ご興味ある方は、Slack「OpenStreetMap Japan」へぜひご参加ください。
地図の描き方説明は無いので、以下の資料などで調べてくださいね。
あと、初心者向けのガイドサイトもあるので、合わせてお読みください。
おまけ・イベント画像ギャラリー
各地のお城を「まち歩きマップメーカー」で背景画像にしています。
#32からお城の名前を書いています、それ以前のお城は分かるかな?
「『図書館』(仮称)リ・デザイン Advent Calendar 2020」が始まったので一枠頂いて、普段思っていることを書いてみました。
私のような素人の考えはともかく、他の方たちのAdvent Calendarは以下のサイトに掲載されています。2050年の「図書館(仮称)」にご興味のある方は、ぜひお読みください。
「図書館」(仮称)リ・デザイン会議関連リンク
公式サイト
https://library-redesign.main.jp/
facebookページ
https://www.facebook.com/LibraryRedesign
OSC 2020 Online Kyoto発表資料と動画
OSC 2020 Online Kyotoで「地図じゃないOpenStreetMap」というセミナーを開きました。少し視点を変えてみることを意図したタイトルです。
OSC(オープンソースカンファレンス)なので、プログラマー向けにOpenStreetMap活用方法を紹介することが主な内容ですが、概要説明中心なのでプログラマー以外でも大体は伝わるかなと思います。
【発表スライド】
https://speakerdeck.com/barsaka2/not-a-map-openstreetmap
【OSC 2020 Online Kyoto動画】
発表スライド内で紹介していたサイト一覧
[overpass turbo]
https://overpass-turbo.eu/
[みんなでテイクアウトMAP(開発版)]
https://github.com/K-Sakanoshita/takeaway
[まち歩きマップメーカー]
https://armd-02.github.io/mapmaker/
[Overpass API/言語ガイド]
https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Overpass_API/%E8%A8%80%E8%AA%9E%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89
スライドでは、Overpass APIで色々使えるとか説明していますが、一番伝えたいことは、以下のスライドなんですよね。
なので、「地図じゃないOpenStreetMap」という題名だったりします。
「置き場所」、「組織間コラボレーション」を行うデータのプラットフォームとしてのOpenStreetMapも良いかも知れませんね。
普段、地図やらマップやら書いて(話して)ばかりだけど、たまには違う話を書いてみようかと。
上記の活動でほんの僅かに関わっているんだけど、その中の運営会議で「30年後の図書館」を考えることが宿題だったので書いてみました。
内容については、図書館業界にはかすってもいないサラリーマンの一方的な視点なので間違いだらけかもね。ご指摘頂けたら直していきます。
現在(2020年)の30年後と言えば2050年。30年前は1990年。
そう、「80年代ブーム」は30年以上も昔の話しになってしまいました。
非専門家&ライトユーザーから見た図書館って、この30年間でどう変わったかと考えると、「あまり変わっていない」ように感じます。
もちろん、図書館業界の中で見ると、「あの人の発言で~~が変わった」とか「~~市の図書館が初めて~~した」とか色々あるかと思います。
ただ、図書館業界のことを知らない側からすると、図書館は30年前から同じく、「読みたい本を探して借りる場所」から変わっていないかなと。
国民全体の議論(課題意識)として、図書館が大きく取り上げられることが無いので(良い意味でも悪い意味でも)、30年後の図書館についても、国民的な議論が起きない限り、今の延長線上にあると考えています。
「今の延長線上」としては、少子高齢化で地域コミュニティの規模縮小による予算の効率化がこれまで以上に求められるので、図書館と公民館を含めた複合施設化が普通の状況になっていくと考えています。
複合施設になることで、人的な関わりが増えることで新しい活動に繋がる地域も出てくるけど、公民館にある図書室のような「普段は使われない」場所になってしまう可能性もあるかも知れません。
別の視点として、「図書館の機能」は以下の二点にあると考えています。
ストレージ機能(書庫)は「蔵書数」。図書館を紹介するときによく使われます。蔵書数と図書館の規模は比例するので、船ならトン数、国なら人口のような基本性能かと思います。
リファレンス機能はあまり知られていないと感じています。カウンターに司書が居ることは図書館に行ったことがある人は知っているけど、「施設の管理者」と認識されているのか。
銭湯の番台や本屋の店員でも施設の方(オーナーやアルバイト)は居るけど、お風呂の入り方や本の探し方を説明することはありません(相談されたら説明してくれるとは思います)。
図書館のカウンター業務も、利用者から見ると「どうしても見つからない時に相談する窓口」と認識されているんじゃないかと思います。もちろん張り紙などで案内はしてるけどね。
図書館法 第2条第1項に、図書館の定義が書かれています。
図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設
要するに「収集」「整理」「保存」「利用」が求められており、ストレージは「整理」「保存」、リファレンスは「収集」「利用」に基づいた活動だと考えられると思います。
ストレージに関しては、書庫に保管出来るのは「紙の本」。今の電子書籍は「所有出来ない(レンタル)」なので書庫に保管出来ません。中長期的に図書館にとって大きな影響が出てくると思います。
ただ、電子書籍を「所有する」ことは、社会全体(特にビジネスとオープンソース陣営の綱引き)の活動結果次第になるので、図書館としては直接関わるのは難しいかなと思います。
リファレンス機能が知られていないことと、ストレージ機能をすぐに強化するのは難しいことので、30年後に向けて「リファレンスの認知・活用」を目指せたら良いかなと思います。
具体的な活動としては、ウィキペディアタウンは有意義な活動だと考えています。「本好き」「歴史好き」「地元好き」など、色んな方が参加出来る可能性があると考えているから。
ただ、ウィキペディアタウンは図書館にとって非常に魅力的に見えるんですが、図書館や利用者以外の方にとってそんなに魅力的に見えない実感もあります(本も読まない人もいる)。
各地で色んな方たちと話していると、図書館はあまり使わないけど、地域が好きな人は多くいます。そして、そういった方たちも、地域を盛り上げようと様々な活動をされています。
そういった図書館を利用していない方たちに対して、図書館のリファレンスを知って貰い、地域を盛り上げる活動に活用して貰うことが大事なんじゃないかなと思います。
そのためには、「図書館以外の視点」で地域の方たちと関わる必要があるかと考えています。まずは、町に出て(イベントなどで)色んな方と話すことかなと思っています。
地域の方たちの役に立つ資料は、きっと図書館にあると思います。色んな活動でリファレンスは役に立つと思うので、自信を持って各地の活動に関わって欲しいと思います。
最後に手前味噌ですが、「オープンデータソン」は地域の方たちの役に立つ資料を自分たちで整備する活動で、色んな方たちが関わる必要性メリットがあると考えています。
オープンデータソンとは、ウィキペディアタウンと地域を記録して様々な活動に活用するオープンストリートマップのマッピングパーティを組み合わせたイベントの総称です。
片方だと関われる範囲に限りがあるけど、両方組み合わせると地域アーカイブから活動(防災・バリアフリーなど)を繋いで、Code for ~で作るアプリのデータにもなります。
今後の人口推移を考えると、専門家だけ、行政だけ、住民だけでは限界があります。様々な活動を繋げて蓄積するオープンな仕組みに図書館も関わって欲しいと思います。
まちを歩いていると、様々な記念碑や石碑を見かけると思います。
一見、何処にでもある「ありふれた物」に見えるけど、その一つ一つに歴史や想いが込められています。たまに間違えた内容の石碑もあるけどね。
そして、開発や災害などで石碑や記念碑が撤去されることもあります。
石製だからといっても、永遠にその場所に有り続ける訳じゃないよね。
石碑や記念碑が無くなってしまうことは、いつか起きてしまうけど、「今の時点ではここにある」という情報は残すことが出来ると思います。
例えば、写真を撮影して自分のノート(紙)に設置場所をメモしておく。
そして、メモが溜まったら本を出版して国会図書館に納本するとかね。
他にも様々な残し方があるけど、その中でも「OpenStreetMap」に残す方法をオススメします。そして、オススメする理由は以下のとおり。
他にも、世界中のみんなで協同編集するので、自分が調べられない地域の石碑や記念碑も記録されます。オープンデータなので自由に使えるしね。
下のリンクは、OpenStreeMapで石碑・記念碑を記録する方法が書かれた説明です。かなり詳細に記録出来ることが分かりますよね。
以下の画面は、関西にある石碑・記念碑の抽出した時のものです。
データの抽出や加工にプログラミング的な要素は求められるけど、少し調べるだけで出来るので、そんなに難易度は高くありません。
地理院地図Vectorのデータ提供範囲が「日本全国」になりました。
ライセンスは国土地理院コンテンツ利用規約(CC-BY4.0互換)。
つまり「自由な地図」が公開されました。かなり凄いことかと思います。
OpenStreetMap(以降OSM)と言うプロジェクトは、「自由な地図」と「みんなの手で」を目的として活動しています。
国土地理院Vectorが「自由な地図」なので、日本ではOSMは不要になったと思ってしまいそうだけど、実はそうじゃ無いと考えています。
別に、OSMにしかない地物とかあるけど、そういった個々の価値ではなく、もっと大きな「目的」としてね。
それが、もう一つの目的である「みんなの手で」。
この目的こそが本当に大事なことだと、私自身は考えています。
「みんな」とは、個人、組織、団体(企業、行政、NPO、コミュニティなど)を含みます。組織の壁を超えた
成果物をオープンデータにすることは素晴らしいけど、その活動に「みんな」が関われるともっと素晴らしいと思います。
今、コロナの情報提供サイトをCode for Japanが作ったことがきっかけで、日本各地でサイトが作られています。しかも、単にサイトのソース(設計図)がオープンなだけでは無く、オープンな開発なので「みんな」が開発に関わることが出来ます。
みんなが関われるからこそ、色んな活動に活かされるし、記録として残せる、そして、誰か一人だけの成果でも無い「みんな」の成果。
OSMに含まれる「オープン」とは、「みんなが持つ地図(地理空間情報)を共有しませんか?」という意味です。何故こんな提案をしているかと言えば、色んな団体や個人が独自でデータを集めて、それをクローズのままにしているから。
個人的な経験ですが、クラウドファンディングで「〇〇マップを作りたい」と言うNPOなどの団体はあるけど、作ったマップや元データをオープンデータとして公開することは滅多に見かけません。
そして、その計画が頓挫したり終了した後、同じ志を持つ団体が出てもデータは引き継がれなくて最初からやり直し。本当にもったいない。プロジェクトに関わった色んな方たちの様々な想いまで一緒に捨てられていると感じています。
「みんなの手で」描くことが出来たら、頓挫した計画で描いたデータも含めて、未来の活動に引き継がれていきます。「みんな」がオープンに関わり、色んな活動を支え、様々な想いを繋げることが当たり前な世界になればと思います。
国土地理院Vectorが「自由な地図」になった以上、OpenStreetMapを説明する際は、今まで以上に「みんなの手で」についての説明が重要になってきたと考えます。
国土地理院ベクトルタイル提供実験
https://maps.gsi.go.jp/development/vt_expt.html
※国土地理院コンテンツ利用規約に従って利用できると記載あり
国土地理院Vector
https://maps.gsi.go.jp/vector/
国土地理院コンテンツ利用規約
https://www.gsi.go.jp/kikakuchousei/kikakuchousei40182.html
OpenStreetMap
https://www.openstreetmap.org/
OpenStreetMapにようこそ(Wiki)
https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Main_Page
OpenStreetMap Japan
https://openstreetmap.jp/
まち歩きマップメーカー
https://www.netfort.gr.jp/~saka/accessmap/
※国土地理院VectorのOSM&簡単版
突き詰めると、データは「力」と言える。
データが充実する地域は生き残り、そうでない地域は徐々に失われていく。
「オープンの強み」は力を集積できること。単独でビックデータを構築できるのは一部の巨大企業だけ(日本にその規模の会社は無い)。
あとは、そのデータ整備を他人に任せるか、それとも自分たちで行うか。シェアした記事は、地図の整備を外国企業に任せた結果。
税金の投入やビジネスでのデータ整備も必要だけど、それだけたと、他人任せであることには変わらないよね。
結局、自分たちでデータを整備していく必要があると伝えたくて、各地のオープンデータソンに協力している。
もっと、効率的な伝え方もある気もするけど、まぁ、俺は不器用だから、少しづつでも進めていくしかないかな。
ブログを書こうと思って、もう半年経っちゃった(苦笑
4月7日にCode for山城の青木さんと一緒に、お花見しつつオープンデータソンを開きました。今回は、その開催報告を行わせて頂きます。
オープンデータソンとは、WikipediaやOpenStreetMa活用して地域情報をオープンデータ(誰でも自由に使えるデータ)を作る活動です。
Wikipedia単独のイベントは「ウィキペディアタウン」と呼びます。OpenStreetMap単独のイベントは「マッピングパーティ」と呼びます。
これら2種類のイベントを同時開催することで、地図と百科事典による多角的な記録・発信と、ジャンルを超えた方たちが知り合うきっかけを提供するイベントが「オープンデータソン」です。
まずは集合写真から。思った以上に色んな方たちにご参加頂きました。
集合場所は京都府立図書館。河原町から白川沿いに北上します。
オープンデータ関連の活動、Tips、備忘録など。Facebook https://www.facebook.com/K.Sakanoshita / Connpass https://countries-romantic.connpass.com/