地理院地図Vectorと”みんなの手”
地理院地図Vectorのデータ提供範囲が「日本全国」になりました。
ライセンスは国土地理院コンテンツ利用規約(CC-BY4.0互換)。
つまり「自由な地図」が公開されました。かなり凄いことかと思います。
自由な地図をみんなの手で
OpenStreetMap(以降OSM)と言うプロジェクトは、「自由な地図」と「みんなの手で」を目的として活動しています。
国土地理院Vectorが「自由な地図」なので、日本ではOSMは不要になったと思ってしまいそうだけど、実はそうじゃ無いと考えています。
別に、OSMにしかない地物とかあるけど、そういった個々の価値ではなく、もっと大きな「目的」としてね。
それが、もう一つの目的である「みんなの手で」。
この目的こそが本当に大事なことだと、私自身は考えています。
「みんな」って誰のこと?
「みんな」とは、個人、組織、団体(企業、行政、NPO、コミュニティなど)を含みます。組織の壁を超えた
成果物をオープンデータにすることは素晴らしいけど、その活動に「みんな」が関われるともっと素晴らしいと思います。
今、コロナの情報提供サイトをCode for Japanが作ったことがきっかけで、日本各地でサイトが作られています。しかも、単にサイトのソース(設計図)がオープンなだけでは無く、オープンな開発なので「みんな」が開発に関わることが出来ます。
みんなが関われるからこそ、色んな活動に活かされるし、記録として残せる、そして、誰か一人だけの成果でも無い「みんな」の成果。
OSMの「オープン」とは
OSMに含まれる「オープン」とは、「みんなが持つ地図(地理空間情報)を共有しませんか?」という意味です。何故こんな提案をしているかと言えば、色んな団体や個人が独自でデータを集めて、それをクローズのままにしているから。
個人的な経験ですが、クラウドファンディングで「〇〇マップを作りたい」と言うNPOなどの団体はあるけど、作ったマップや元データをオープンデータとして公開することは滅多に見かけません。
そして、その計画が頓挫したり終了した後、同じ志を持つ団体が出てもデータは引き継がれなくて最初からやり直し。本当にもったいない。プロジェクトに関わった色んな方たちの様々な想いまで一緒に捨てられていると感じています。
「みんなの手で」描くことが出来たら、頓挫した計画で描いたデータも含めて、未来の活動に引き継がれていきます。「みんな」がオープンに関わり、色んな活動を支え、様々な想いを繋げることが当たり前な世界になればと思います。
まとめ
国土地理院Vectorが「自由な地図」になった以上、OpenStreetMapを説明する際は、今まで以上に「みんなの手で」についての説明が重要になってきたと考えます。
参考情報
国土地理院ベクトルタイル提供実験
https://maps.gsi.go.jp/development/vt_expt.html
※国土地理院コンテンツ利用規約に従って利用できると記載あり
国土地理院Vector
https://maps.gsi.go.jp/vector/
国土地理院コンテンツ利用規約
https://www.gsi.go.jp/kikakuchousei/kikakuchousei40182.html
OpenStreetMap
https://www.openstreetmap.org/
OpenStreetMapにようこそ(Wiki)
https://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Main_Page
OpenStreetMap Japan
https://openstreetmap.jp/
まち歩きマップメーカー
https://www.netfort.gr.jp/~saka/accessmap/
※国土地理院VectorのOSM&簡単版